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平成の終わりに 新しい風を吹かせよう

2019年03月01日

主筆 藤山純一

 平成の時代があと2カ月で終わりを迎えようとしている。先月23日には皇太子さまが59歳の誕生日を迎えられ、24日には天皇陛下の在位30年の記念式典が行われた。そして、それぞれに平成の時代を振り返られ、これから訪れる新しい時代への思いを語られた。
 特に天皇陛下は、平成の30年間、近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ったと強調される一方、多くの自然災害に襲われたほか、少子高齢化という過去に経験したことのない社会現象に直面していると分析。 
 「グローバル化する世界の中で、更に外に向かって開かれ、その中で叡智(えいち)を持って自らの立場を確立し、誠意を持って他国との関係を構築していくことが求められるのではないか」と語られ、島国でもあることから独自の文化を育ててきたわが国であるからこそ、主体性を持ちながら積極的な外交の展開を求められたのである。
 まさに世界で唯一の被爆国だからこそ、世界の平和に積極果敢に貢献し、素晴らしい日本文化に根付き、大国への追従ではなくあらゆる国々と垣根を越えた独自の外交を推し進めていってほしいとの天皇陛下の思いを吐露されたととらえたい。
 一方、皇太子さまは、即位を控え「国民と心を共にし、苦楽を共にする皇室ということが基本であり、これは時代を超えて受け継がれていくもの」とし、「過去の天皇が歩んでこられた道と、日本国憲法の規定に思いを致し、国民と苦楽を共にしながら、国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けることが大切」と語られた。
 と同時に、「その時代時代で新しい風が吹くように、皇室の在り方もその時代時代によって変わってくる」と強調。「過去からさまざまなことを学び、伝統を引き継ぐとともに、時代に応じた皇室の在り方を追い求めていきたい」と述べられ、新しい時代には新しい風が吹き、国民が幸せであるための新しい取り組みが必要との思いを表されたのである。
 天皇陛下、皇太子さまの相次ぐお考えの発露に、戦後74年にして新しい時代を迎えるにあたり、もっとも伝統的であるべき皇室の約200年ぶりという「生前退位」という狆弖眦な一撃瓩鮗け止め、過去に縛られているのはまさに私たち国民であり政府、行政ではないかとの思いを強くした次第である。
 これからもこれまで以上に襲ってくると予想される自然災害。かつて経験したことがない超少子高齢化社会の到来を前に、自然との共生や人間らしく生きていくことが強く求められているのではないか。背伸びをせず身の丈に合った生活。果たして24時間営業のコンビニは必要なのか。台風が来ているのにどうしても会社に出勤しなければならないのか。
 行政の庁舎も防災の拠点となり、人が集まるコミュニケーションの場として活用されれば、住民の親近感も高まろう。平成の終わりにあたって、これからは人と自然に優しい、新し時代を切り開いていくために、それこそ叡智を結集していきたいと思う。

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