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eスポーツ 教育的側面の発信を

2019年03月08日

記者 梶田智規

 「スポーツ」という言葉は15世紀前半にイギリスで生まれたとされている。サッカーやラグビーなど人気スポーツ発祥の地だ。しかしそのイギリスでもeスポーツはあまり盛んではない。日本と同じくスポーツとしての認知度が低く、プロゲーマーも少数だという。
 スポーツを辞書で引くと「競争と遊戯性をもつ広義の運動競技の総称」とある。身体的、精神的な人間形成の手段でもあり、競技によって違いはあるものの、ルールの厳守や仲間との絆、指導者や親への感謝など学ぶことは多い。日本ではインターネットなどのゲーム依存による「引きこもり」が問題視されるなど、ゲームは子どもの教育に対してネガティブなイメージがどうしてもついて回る。
 小学生の頃ドラクエにはまり、朝から晩までゲームをしていて母親に怒られた記憶がある。「勉強しなさい」「目が悪くなる」など、ファミコン世代の人ならこのような注意を受けた経験があるはずだ。しかしコロンビア大学などの研究では、ゲームをよくする子どもの方がしない子どもよりも1・75倍の確率で知的機能が高く、学習成績も1・88倍の確率で高いという結果が出ている。
 さらにゲームは学校でのコミュニティー活動に通じており、よくゲームをする子は友達との結束が強いという。また目に関しても、シューティングなどプレーするゲームのジャンルによっては、視力の改善に役立つという研究結果も出ている。無論やりすぎは良くないが、親子間などでルールを決めて正しく楽しめるのであれば、ゲームはむしろ子どもの成長を促す存在だともいえる。
 3年後の2022年には、国内でもeスポーツの市場規模が100億円にまで膨らむと見込まれている。しかし現状、国内ではアメリカや韓国のようにプロリーグが設立され、eスポーツだけで生活できるという環境は整っていない。まだまだスポーツという認識は少なく、スポンサーが付かないのだという。
 日本eスポーツ連合の現在のライセンス認定タイトルである「ストリートファイター」や「ウイニングイレブン」などは、あまりゲームをしない人でも比較的なじみがあるのではないだろうか。12タイトルあるとのことだが、他にプレイしたことがあるのは「鉄拳」と「ぷよぷよ」ぐらい。「パズル&ドラゴンズ」は聞いたことはあるが、他のタイトルはまったく耳にしたことがなかった。経営者の世代になじみのあるタイトルを増やすことも、スポンサー獲得には重要だろう。スポンサーが選手を支える仕組みさえ確立できれば、自然とスターが生まれる。
 しかしもっとも重要なのは、ゲームを遊びではなく「スポーツ」として国民に認識を持ってもらうことだ。将棋やチェスのように、ゲームにも教育的な側面があるということを積極的に発信していくべきだろう。イギリスなどeスポーツ後進国でも、このような考えが少しずつ広まっているという。リバプールからビートルズが生まれたように、奈良からeスポーツで世界を席巻するスターが生まれることを期待したい。

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